(ネタバレ)Artiste6巻
フランスが舞台のすごく素敵な漫画です。
フランス人がほとんどの登場人物で、一部違う国の人たちが住まう、芸術家だけのアパートを舞台にした群像劇。
本場フランスでも話題になっているらしく、漫画の表紙がどこなのかを探す作業がされてるくらい(笑)
主人公のジルベールは根暗のコミュニケーション下手ですが、どんな繊細な味も見分け、再現することができる神の舌と鼻を持っている的な青年です。
まず、天才なのにその才能で苦労しているエピソードがたくさん出てくるところや、思考回路が根暗なのに割と主張とか自分の舌に対する自信は根っこですごくあるところなど、とてもユニークな人物です。
すごい才能があるのに、とにかく「ジルベール」という人間に自信が持てない主人公が自分の居場所を見つけていくストーリーなのかな、と思っています。
自分のしたいことについてあまり考えない彼は、はじめ周囲の声に流されるように転職したり転居したりと環境が変化していきます。
新しい職場では、派手でカリスマ力あるシェフ、色々と難ありな厨房スタッフ、あまり笑わない幼なじみの女の子などジルベールにとってはストレス過多な毎日。
それが、それぞれの過去、人となり、人間同士の関わりによってわだかまりが紐解かれていく姿が、ほんと尊い!!
ほんとにみんな可愛いく、仕事に誠実、誇りを持っている。
6巻では、「家族」「人との繋がり」がメインの話が多いです。
ジルベールの親友(?)マルコとその姉の結婚パーティーについて。
フランスでは離婚の手続きがとっても面倒なので、事実婚を選択するカップルが多いことなどもきちんと書かれていました。
この漫画の面白いところは、割と日本人はフランス美化しすぎなところがあるんですが、フリースペースにフランスのダメなところをすごい描いてる(笑)
私自身フランスへ行ったことがあるので、空気感や人となりが少しわかる分ほんとにリアルだなぁと思いながらみてます。
パーティーの開催を相談するうえで、カリスマシェフの娘であり、レストランのオーナーであるミシェルと父との関わりについて、その関係から垣間見えるジルベールの幼少期に受けた心の傷など、1話1話が人間同士の深みがすごいんです。
ジルベールの過去、そして初恋についても明らかになりますし、ほんとにジルベールずくしの1冊でした!
幼なじみのエルザは、実はジルベールのことが大好きで、幼い頃にジルベールが「すぐ泣く女の子は苦手」といったことから、あまり笑わない女の子になった(!?)という極端な子ですが、ジルベールとエルザ以外はみんなエルザがジルベールを好きなことがわかっているので、ほんともっとアタックして欲しい(笑)
エルザがほんと好きなんですよねー!
健気で、頑張りやで、強くて笑
ジルベールにはこれくらい思い込みと心が強い子が合っていると思う。
彼女がジルベールを好きになったきっかけは、彼が困らせられたと感じている感性の高さからくるエピソードなので、ジルベールが心から慕われているのがわかる素敵なお話なんです!!
電子配信されているので、気になる方はぜひご一読ください!
最初はジルベール孤独ですが(笑)だんだん仲間が増えていくのはすごくほっこりしますよー!