ツイステ原作考察・不思議の国のアリス編
今回は、ツイステでとりあげられているディズニー作品の原作について見ていこうと思います。
最初は、ハーツラビュル寮のヴィランズモデルである「ハートの女王」から。
アリスの原作は、ルイスキャロルがアリスに送ったお話をもとに新たなお話を挿入して出版されたものです。
ハートの女王の存在が出てくる場面は大きく3つ。
「トランプ兵が白いバラを植えてしまったので、赤く塗っている場面」
「クロッケー大会」
「タルトを盗んだものの裁判」
彼女はいつもすぐに怒って、「首を跳ねろ!」と命令します。
それをとりなすのが、夫であるハートのキング。
実際には彼女が首を跳ねろという命令を執行したところはほとんど確認できておらず、登場人物たちも彼女を恐怖していますが、軽んじている様子もあります。
(バラを塗っていたトランプ兵をアリスはとっさに匿うが、彼らの探索を命じられたトランプは少し探して見つからず、死刑を執行したと嘘の報告をしている)
また、タルトを盗んだ者の裁判についても、彼女は話を聞くよりも先に刑を執行してしまおうとしますが、ハートのキングと白うさぎの進行によってうやむやにされています。
ハートのジャックがタルトを盗んだという容疑について、主に問いただすのはハートの王です。
そして、アリスが裁判中に大きくなってきてしまったことにより退廷を命じる法律を持ち出すのもハートの王です。
ハーツラビュル寮の催しとして、お茶会がよく開かれていますが、お茶会は「帽子屋と3月ねずみ」が開くもので、原作では女王がお茶会を開く描写はありません。
この辺は、アリスのモチーフを満遍なくとりこんだところなのでしょうか。
アリスのモデルとなった、「アリス・プレザンス・リデル」は、上流階級のお嬢さんで、母親はおてんばなアリスに対して厳しかったようです。
一説では、ハートの女王のモデルは彼女の母親とも、ヴィクトリア女王であるとも言われています。
ハーツラビュル寮は女性との繋がりが深いメンバーが多いですね。
リドルくんは、母親からの厳しい躾によりオーバーブロットします。ハートの女王をリスペクトするのは、彼が母親によって徹底的に管理されてきて今の自分が出来上がっており、それが「正しいこと」なのだと認識してきたからです。
エースは、関わりは微妙ですが、おばあちゃん・兄のことについてはストーリー中言及する場面があります。
デュースは、苦労かけた母親を安心させたいと日頃から語っているため、母親との関係が深いことが窺えます。
ケイトは、姉たちが存在して、かなり辟易している様子です。
トレイは、実家がケーキ屋、弟妹がいることについては語っています。リドルを遊びに誘ってリドルの母親から絶縁を言い渡された経緯はあります。
実は、ルイスキャロルとアリスもアリスの母親によって距離をとることになったと言われています。
リドルくんはアリスとの関連、トレイはルイスキャロル、キングとの関連も感じられます。
ハートの女王のキャラクター自体、イギリスで当時流行っていたトランプ占いというもので、「優しく、美しく、慈悲深い女性」という意味があったそうです。
ルイスキャロルのハートの女王は挿絵でも意図的に「スペードの女王を模した服を着せられ」、性格も反対になるよう表現した、とルイスキャロル自身も語っていたようです。
今度は彼らの名前について。
リドルくんの名前の綴りは「ridlle」→謎という意味があります。
トランプに関連するところで、
「エース・トラッポラ」
「デュース・スペード」
「トレイ・クローバー」
「ケイト・ダイアモンド」
の名前の並びを見て、エースだけなんでハートじゃないんだろう?と思ったので調べてみました。
イタリアのカードゲームで「トラッポラ」というものがあり、そのゲームは普通のトランプとは少し違ったカードを使用していました。
ただし、エースは一番強いカードです。
2<7<8<9<10<歩兵F<騎士C<王R<エース
お互い場にカードを出して強いカードを出したら勝ちです。リードする側と同じ絵柄を出せれば単純に数字が大きい方が勝ち、できなければ何を出してもいいようです。
最弱の2で勝つことができれば即点数を得られるというルールみたいなので、リードする側の時に2を出して、相手が同じ絵柄で出せなかったら勝ちなのかもしれません。
そして、サイコロの目を表すときに、「1→エース」「2→デュース」「3→トレイ」「4→ケイト」と表すことを調べているなかで知りました。
これをそのままあてはめると、
デュース、トレイ、ケイトはそのままトランプ兵としてカウントできそうですよね?
エースについては、トラッポラルールが適用されるとこの中で最強ということになります。
そして、トラッポラには「女王、3、4」はカードとして存在していないんです。
なんだか、それぞれの名前のキャラクター徒の関係がありそうな感じですね。
ルイスキャロル自身、キリスト教と縁が深く、薔薇や林檎というモチーフも宗教的に関わりが強い要素のようなので、この辺はまた後日まとめてみたいと思います。
散文的ですが、今後パソストを読んだりメインストーリーが進んだときにも使えそうな要素なので、つらつらと述べてみました。